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企画展「銘仙展 夏」



蜻蛉に蓮文単衣銘仙長着


青海波文紗銘仙長着

2024年5月18日(土)~2024年7月28日(日)

9:30~16:30(5月18日は10:30開館)
休館日:月曜日(7月15日は開館)

銘仙は日本の大正・昭和時代を象徴する先染め平織りの絹織物です。

日本が開国すると輸出品の第一位は生糸でしたが、太さが均一でなかったり輸出には向かない生糸を国内用に仕立てた生地が銘仙です。大正時代には生糸を先染めした「絣銘仙」の流行とともに伊勢崎(群馬)、秩父(埼玉)、足利(栃木)、八王子(東京)などが銘仙の産地になりました。大正時代中頃(1920年頃)には解(ほぐ)し織*1の技術が考案されて複雑な柄を表現できるようになり、発色が良い科学染料が開発されたことで鮮烈な色合いが銘仙柄に加わりました。そして、西洋との交流が活発化したことによりヨーロッパのアール・ヌーボーの影響を受けた植物や緩やかな曲線模様の銘仙が出現し、昭和時代になると幾何学的なアール・デコ調の銘仙も出てきましたが、日本が戦争へ傾倒していくにつれて派手な銘仙は次第に着られなくなりました。

銘仙は大量生産される庶民のための絹織物でしたが、大正時代後半~昭和初期に関東から中部地域にかけて庶民のおしゃれ着として流行し、大正時代中頃には関西にも広がりました。同時期に活躍した竹久夢二や蕗谷虹児らが描いた女学生やカフェの女給が着ていた銘仙柄は、今では大正ロマンや昭和レトロを彷彿させるデザインとなっています。

本展示は銘仙のなかでも、初夏~秋にかけての単衣の銘仙の着物を紹介し、次年度以降に「銘仙展 冬」を計画しています。

*1解(ほぐ)し織:縦糸を張り、荒く仮織りして模様を染めた後に解体し、再び本織りする方法。複雑なデザインの生地を大量生産することができた。

■主催
一般財団法人清水港湾博物館(フェルケール博物館)
協力
こころ庵
■後援
静岡県教育委員会/静岡市/静岡市教育委員会/
朝日新聞静岡総局/NHK静岡放送局/毎日新聞静岡支局/
読売新聞静岡支局/産経新聞社静岡支局/
静岡新聞社・静岡放送/中日新聞東海本社
■協賛
鈴与グループ